出土品情報の管理訴え

2018年07月28日

飯塚市で古代史連続講座/及川氏が講演

考古学者の高島忠平氏が監修する古代史連続講座「古代から未来のトビラを拓(ひら)く~遠賀川の古代文化と邪馬台国」の第3回講演会が14日、飯塚市内で開かれた。総合研究大学院大名誉教授の及川昭文氏(72)は遺跡や出土品の統計分析などの重要性を強調した。

古代史連続講座で意見を交わす登壇者

 及川氏は「土地開発が進んだ地域で遺跡は多く見つかる。しかし、見つかっていない遺跡も想定すべきだ」と指摘。土器や石器などの情報を管理、分析するデータベースの必要性を訴え、過去の発掘遺跡の情報などを基に、コンピューターを使って未発見遺跡を推測する手法を紹介した。
 高島、及川両氏による討論会もあり、高島氏は「今の考古学は出てきた遺跡でしか評価しない。及川氏の研究は高く評価できる」と話した。 
 

「数字で考え、解く」 古代史連続講座/及川氏が力説

飯塚市内で14日に行われた古代史連続講座は考古学ファンら約160人が耳を傾けた。総合研究大学院大名誉教授の及川昭文氏による講演要旨は次の通り。

講演する及川氏

考古学は「数字で考え、数字で解く」ことが大切。例えば、発掘調査で土器片の量を表すときに「箱の数」ではサイズが1種類ではないかもしれず不適切だ。土器片の「重さ」の方が適している。

文化庁によると、2016年度の工事に伴う発掘調査は8142件あった。青森県の三内丸山遺跡では土器片が約5万箱分、石器は約10万点が出た。全国の発掘調査から生み出される情報は想像を絶するほど膨大になる。個人での情報収集には限界があり、データベースで情報の共有、分析を行う必要がある。残念なことに統計を活用した研究は非常に少ない。

遺跡は、(1)発見された遺跡(2)未発見の遺跡(3)消滅あるいは存在を確認できない遺跡-に分けられる。遺跡の分布などを議論するにはこの三つを想定すべきだが、多くは(1)のみが対象だ。(2)(3)の遺跡を推定する方法として、コンピューターによるシミュレーションを提唱している。

北部九州における弥生時代の「遺跡期待指数(遺跡が存在する可能性を示す相対的数値)」は平野を中心にクラスター(集合)をつくっている。集合の規模は佐賀・筑紫平野が突出している。

(座親伸吾)

 

 

 

 

この記事を書いたのは・・

西日本新聞筑豊総局

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