伊都国と奴国、研究者論じる

2019年09月25日

考古学者の高島忠平氏が監修する古代史連続講座「古代から未来のトビラを拓(ひら)く~遠賀川の古代文化と邪馬台国」の第2回講演会が8月3日、飯塚市のイイヅカコミュニティセンターであった。中国の史書「魏志倭人伝」に記述がある北部九州のクニ「伊都国」と「奴国」に関する近年の研究について2人の研究者が講演し、邪馬台国の謎に迫るヒントを探った。

 伊都国について糸島市教育委員会文化課の岡部裕俊課長は、北部九州の軍事掌握や、中国に発送する文書検閲などを担った「一大率」が所在していたという説を紹介。遺跡から中国製の土器や貨幣が出てきたことから、大陸と直接交易をしていた可能性があり「政治的な重要地点だった」と指摘した。

 福岡市埋蔵文化財課の常松幹雄主任文化財主事が、福岡平野を中心とした奴国について紹介。「漢委奴国王」と刻まれた金印が作られたのは年で、魏志倭人伝に登場する奴国は3世紀ごろだとみられる。2世紀ほどの隔たりがあることから、魏志倭人伝に記された奴国の首長が金印を下賜されたとする解釈は「ふに落ちない」と強調した。

 講演後、2人と高島氏が公開討論。伊都国の平原遺跡の被葬者が卑弥呼ではないかとする高島氏の説に対し、岡部氏は「祭祀(さいし)に関わった特殊な力を持った女性を想定する」、常松氏は「被葬者が男性とする根拠はなく、女性と考える」と応じた。 

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