立岩産石包丁の意義語る講演会

2017年08月31日

考古学者の高島忠平氏(77)が監修する連続講座「古代から未来のトビラを拓(ひら)く―イイヅカ発古代史情報最前線」の第2回講演会が9月2日、飯塚市飯塚のイイヅカコミュニティセンターで開かれる。愛媛大名誉教授の下條信行氏(75)が「立岩産石包丁の生産と頒布の歴史的意義」と題して講演する。

飯塚市の立岩地区で見つかった石包丁(飯塚市歴史資料館所蔵)

石包丁は磨製石器の一種で、薄い半月や楕円(だえん)形。中国大陸や朝鮮半島、日本で稲作文化の初期に使われた。中心部近くの穴にひもを通して指にかけ、稲などを収穫する。

立岩産石包丁は、飯塚市中心部にある立岩遺跡群(弥生時代前期―中期)から出土し、製造跡も確認。立岩以外の北部九州一帯でも出土しており、当時の地域的なつながりを考える上で貴重な資料とされる。

立岩産石包丁の歴史的価値について語る下條信行愛媛大名誉教授

下條氏は福岡市出身。同市文化財専門職員や九州大助手などとして、大陸系磨製石器など東アジアの初期農耕文化を研究した。今回コメンテーターを務める高島氏とは九大の学部生時代に、立岩産石包丁の原料とされる輝(き)緑(りょく)凝灰岩を求めて宮若市の千石峡周辺を調査した頃から付き合いがあるという。調査結果は「石包丁論」として学士論文にまとめた。

下條氏は「立岩産石包丁は丈夫で使いやすい点も特長だが、稲作中心の時代に地域の『特産品』として専業的に作られていたことに歴史的な意義がある。石包丁の交易を通じて、北部九州にあった有力なクニとの関係を深めていった経緯などを紹介したい」と話す。

 

=2017年8月29日付 西日本新聞朝刊筑豊版=

住所:日本福岡県飯塚市飯塚14 飯塚市役所 中央公民館

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