金印の真贋 論戦白熱

2018年01月24日

中国・後漢の皇帝から西暦57年に下賜されたとされる国宝「漢委奴国王」印について、本物か後世に造られた偽物かを議論するシンポジウム「『漢委奴国王』金印を語る~真贋(しんがん)論争公開討論~」が21日、福岡市中央区のFFGホールで開かれ、双方の立場から熱い議論が繰り広げられた。

教科書でもなじみのある金印は、江戸期の1784年に百姓甚兵衛が志賀島の水路を修理していたところ掘り出したとされる。この金印には以前から偽物説があり、本物かどうかは今もはっきりしていない。

偽物説からは千葉大名誉教授の三浦佑之氏が、亀井南冥(なんめい)による鑑定書を取り上げて解説。鑑定に関わった人物が全て亀井と非常に密接な関係にあり、亀井が開校したばかりの藩校「甘棠(かんとう)館」の学長に就任した時期と金印の発見報告がほぼ同じであることから「タイミングが合いすぎて疑わしい」と述べた。さらに工芸文化研究所理事長の鈴木勉氏は、金印の文字の彫り方などから後漢時代に造られた可能性を否定した。

金印の真贋論争について活発な議論が繰り広げられた公開討論

一方、本物説を唱える明治大教授の石川日出志氏は、字体や使われている金の純度などから江戸時代ではなく後漢時代のものだと主張した。福岡市埋蔵文化財課の大塚紀宜係長は、ヘビをかたどったとされる金印のつまみの部分について、もとはラクダであったものを成形し直した可能性を指摘、後漢の時代に形状が合致することを示した。

本物説側も偽物説側も互いに譲らず、議論は白熱。集まった考古学ファンは熱心に聞き入っていた。

この記事を書いたのは・・

西日本新聞筑豊総局

この記事もおすすめ

カテゴリ記事一覧