邪馬台国は九州に 卑弥呼の謎、神話にもヒント 安本美典さんの講演要旨

2017年02月06日

 謎多き邪馬台国と女王卑弥呼。その正体に迫るため神話に着目したい。

基調講演で邪馬台国九州説について語る安本美典さん

 卑弥呼は、日本神話の天照大神(あまてらすおおみかみ)と同一人物ではないかと考えている。中国の史書「魏志倭人伝」は、卑弥呼が239年に魏へ使者を送ったと記す。神話を集めた「古事記」が完成したのは712年。400年以上後の奈良時代だが、古事記の天照大神に関する記述は、倭人伝中の卑弥呼と類似する箇所がある。

 私は日本、中国、西洋の天皇や王の在位年数を平均し、1~4世紀の天皇の平均在位年数を?年と割り出した。古事記に記された天皇が全て実在すると仮定し、それぞれ?年在位したとすると、九州から東へ攻め上り、大和政権をつくったとされる神武天皇が活躍したのは280~290年ごろと計算できる。つまり、近畿地方における大和政権の成立は、邪馬台国の時代より後になる。天照大神は神武天皇の5代前なので、50年さかのぼると活躍した年代は230~240年。卑弥呼が魏へ使者を送った時期と重なり合う。

 九州と山陰には、古事記に登場する地名が近畿の約6倍もある。古事記で神々が活躍する「高天原(たかまのはら)」は九州だと推測できないだろうか。天照大神(=卑弥呼)も当然そこにいたはず。邪馬台国はやはり九州にあったのだ。
 

=2016年4月17日付 西日本新聞=

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