古代人の食事情が分かるかも!? 人骨の歯に食物跡

2017年03月09日

 

デンプン粒が検出された男性の人骨。赤い矢印の歯に残っていた

 宮崎県都城市教育委員会は、同市にある菓子野地下式横穴墓から出土した古墳時代(5世紀中頃~6世紀前半)の人骨の歯石から、アズキかオオバユリとみられるデンプン粒(りゅう)を検出したと発表した。人骨から当時の食物の痕跡を確認できたのは国内初という。

 デンプン粒は男性(40~59歳)の下顎の第2大臼歯に残っていた。約20マイクロメートルのデンプン粒を電子顕微鏡で原生植物の標本と照合した結果、男性が死亡前にアズキかオオバユリを食べていたことが判明した。

 残存デンプン粒の分析はこれまで石器を対象に行われ、人骨からの分析は近年諸外国で始まったばかり。分析した下野真理子・鹿児島女子短大助手(食物栄養学)は「歯の部分が土に埋まっていないなど、条件が良くて検出できた。今後も分析手法を改良して古代人の食を調べたい」と話し、田中良之・九州大教授(考古学)も「古墳時代の人々の食べ物については文献などで分かっているが、実態を把握できた意義は大きい。事例を増やしていけば彼らの食生活の一端が見えてくるだろう」と話した。

 横穴墓には二つの玄室(遺体を安置する部屋)があり、一方から熟年男性と壮年男性、性別不明の幼児の3人が、別の玄室から熟年女性1人の計4人の人骨がほぼ完全な形で見つかった。

=2014年7月29日付 西日本新聞朝刊=

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