
福岡市博多区の梓書院は、刊行する古代史雑誌「季刊邪馬台国」の7月発売の第132号で、世界文化遺産登録が期待される「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(宗像、福津市)を特集する。考古学者や自治体の文化財担当者8人が、遺跡群についてそれぞれ興味深い論考を寄せている。
「宗像と古代日本」と題した約80ページにわたる特集で、冒頭では九州大の西谷正名誉教授(東アジア考古学)が宗像地域の地勢と歴史を解説。宗像市世界遺産登録推進室の岡崇さんは、島内のことを口外しない「不言様(おいわずさま)」という禁忌に守られてきた沖ノ島の存在を周知することに対し、活動を始めた当初は漁師の大反対を受けたことなどを振り返っている。
福岡大の桃崎祐輔教授(考古学)は、沖ノ島に3世紀の鏡がささげられた可能性を指摘。4世紀後半に国家的祭祀(さいし)が始まったとされる定説に疑義を示すなど、近年の研究成果も盛り込まれている。同誌編集部は「全国ではまだまだ知られていないので特集を機に広くアピールしたい」と話す。
A5判208ページ。1350円。全国の書店で販売。梓書院=092(643)7075。
=2017年6月28日付 西日本新聞朝刊福岡県版=
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